Pippo writes for Kopi Luwak Coffee on wild luwak coffee — origins, processing, roasting, and the trade behind every cup.
Pippo is an expert in Kopi Luwak with a deep passion for exploring its uniqueness and heritage. With years of dedication to studying this premium coffee, he consistently shares authentic insights and knowledge to help readers better understand one of the world’s most exclusive coffee experiences.
コーヒーを選ぶとき、どのように育てられ、どのように加工されたのか、そしてその方法が環境に配慮したものだったのかを気にする人が増えています。その問いに答えるわかりやすいしるしのひとつが、USDAオーガニックです。生豆や焙煎豆、そのまま飲める商品を扱う事業者にとって、この認証は袋の飾りではなく、国際的に知られた有機農業の基準を満たしていることを示す公式な証明になります。この記事では、この認証がコーヒーにとって何を意味するのか、事業者にとってなぜ重要なのか、そして日本で販売するときに気をつけたい点までを解説します。 USDAオーガニックとは:コーヒーにとっての意味 米国農務省の全米有機プログラムが定める基準 USDAオーガニックは、米国農務省(USDA)の全米有機プログラム(NOP)が定める有機基準です。NOPは、米国で販売される有機農産物の基準をつくるとともに、農場や事業者を審査する第三者の認証機関を認定しています(全米有機プログラムの概要(英語))。 畑から加工まで:コーヒーに求められること 基準の対象は、畑の管理から収穫、そして洗浄や乾燥といった収穫後の加工まで、生産の流れ全体に及びます。主なルールは次のとおりです(USDAの有機基準(英語))。 自己申告ではなく、第三者が審査するUSDAオーガニック認証 この認証は、生産者が自分で名乗れるものではありません。USDAが認定した認証機関の審査を受け、認証を取ったあとも定期的な検査を受け続ける必要があります。商品のラベルも、使う前に認証機関の確認と承認を受けなければなりません。 ラベルの4つの区分 ラベルは、有機原料の割合によって4つに分かれています。USDAのシールを付けられるのは、上の2つだけです(USDAの表示ルール(英語))。 区分 有機原料の割合(水と塩を除く) USDAシール 100 Percent Organic 100% 使用できる Organic 95%以上…
フェアトレード認証のマークは、スペシャルティコーヒーの店頭に並ぶ多くの袋で見かけるようになりました。多くのお客様は、このマークを「売り手だけでなく、生産者もきちんと扱われている」というしるしとして受け取ります。どこで買うかを決める材料にもなっている以上、コーヒーを扱う事業者は、この認証が実際に何を意味するのかを理解しておく必要があります。この記事では、認証の仕組み、コーヒー事業者にとっての意味、そして知っておきたい課題までを、インドネシアの産地の立場から解説します。 フェアトレード認証とは何か フェアトレード認証は、コーヒーをはじめとする製品が、社会・経済・環境の基準を満たしたサプライチェーンを通ってきたことを示す仕組みです。国際フェアトレード基準は、フェアトレード・インターナショナルが定めています(国際フェアトレード基準)。中心となるのは、次の3つです。 価格が下がっても守られる「フェアトレード最低価格」 コーヒーの国際価格は、豆の品質とは関係のない理由で大きく上下します。フェアトレード最低価格は、市場価格が下がったときでも、生産者組合が一定以上の価格を受け取れるようにするための安全網です。2026年7月の発表によると、水洗式アラビカ種の最低価格は1ポンド(約454g)あたり1.80米ドルから2.00米ドルに引き上げられ、2026年12月1日以降の契約から適用されます(フェアトレード・インターナショナルの発表(英語))。 地域に投資される「フェアトレードプレミアム」 最低価格とは別に、生産者組合には1ポンドあたり20米セントのフェアトレードプレミアムが支払われます。有機栽培のコーヒーには、さらに40米セントの上乗せがあります。プレミアムの使い道は、組合が自分たちで話し合って決めます。 インドネシアにも、その実例があります。スマトラ島アチェ州のガヨ高地にある女性だけのコーヒー組合「コペラシ・コピ・ワニタ・ガヨ」は、2015年に認証を取得しました。15の村の674人を超える女性農家が加わり、プレミアムを使って5万本の木を植え、診療所の設備や村の救急車、収穫期に母親が働けるようにするための保育施設などを整えてきました(フェアトレード・インターナショナルの紹介記事(英語))。 労働条件と、第三者による監査 基準は価格だけではありません。適正な賃金、安全な作業環境、児童労働や強制労働の禁止など、農園での働き方も対象になります。基準を守っているかどうかは、独立した認証機関であるFLOCERTが確認します。FLOCERTは、農園や工場での実地監査、書類の審査、働く人への聞き取りなどを行います(認証・監査制度について)。 フェアトレード認証マークが示すもの コーヒーの袋に付いているフェアトレード認証マークは、その製品が国際フェアトレード基準に沿って取引されたことを示すものです。ただし、「フェアトレード」とうたう取り組みは一種類ではありません。製品ごとに認証する国際フェアトレード認証ラベルのほかに、団体の活動全体を認定する世界フェアトレード連盟(WFTO)の仕組みや、企業や団体が独自の基準で生産者と直接取引する形もあります(ACEによる解説)。米国には、Fair Trade USAが運営する別の認証制度もあります。マークを見るときは、どの制度のものかを確かめることが大切です。 コーヒー事業者にとって、なぜ重要なのか 生産者が受け取るコーヒーの価格は、天候や為替、投機など、豆の品質とは関係のない理由で大きく揺れ動きます。この認証は、こうした不安定さから農家を守るためにつくられました。認証に参加する事業者は、サプライチェーンの出発点にいる生産者を置き去りにしていないことを、お客様に示すことができます。 倫理的な調達は、もはや一部の人だけの関心事ではありません。特に若い世代のお客様は、コーヒーがどこから来て、生産者に適正な対価が支払われたのかを気にかけています。その問いに答えられない事業者は、はっきりと答えられる競合と比べて、見劣りしてしまうおそれがあります。 認証がもたらすビジネス上の価値 認証を取り入れることには、事業者にとって次のような価値があります。 こうした価値は、すぐに表れるものではなく、時間をかけて積み上がっていきます。公正な調達を証明できる事業者は、お客様に長く選ばれやすくなります。信頼は、広告だけではなかなか手に入らないものだからです。…
コピルアクを飲んでも大丈夫なのか。ジャコウネコのお腹を通った豆だと聞けば、汚いのではないかと不安になるのは自然なことです。先に答えをお伝えすると、きちんと処理されたコピルアクは、ほかのコーヒーと同じように安心して飲めると考えられています 豆は回収されたあと、何段階もの洗浄、天日での乾燥、脱殻を経て、高温で焙煎されます。この一連の工程が、変わった出どころに由来する汚れを取り除き、残ったものも熱で処理するからです。ここからは、その理由を一つずつ見ていきましょう。 コピルアクを飲んでも大丈夫といえる5つの理由 1. 豆はパーチメントコーヒーの状態で守られている コーヒーの実の中で、豆は「パーチメント」と呼ばれる硬い殻に包まれています。ジャコウネコが消化するのは、その外側の果肉だけです。豆は殻に包まれたまま、形を保って体の外へ出てきます。この殻つきの状態をパーチメントコーヒーと呼びます。 たとえるなら、台所を通り抜けた卵のようなものです。殻の外側が汚れても、中身には触れていません。汚れが付いているのは殻の外側であり、このあとの工程で取り除かれるのも、その外側です。排出された豆が、植えれば芽を出せるほど傷んでいないことも、豆の中身が守られている目安とされています。この考え方は、イスラム法学の視点から洗浄の条件を整理した記事でも詳しく紹介しています。 2. 何段階もの洗浄で、外側ごと取り除く 回収した豆は、流水で何度も洗います。洗うたびに外側の層が落ち、最後は脱殻の段階で、パーチメントそのものも取り除かれます。つまり、ジャコウネコの体に触れた表面は、ただ洗い流されるだけでなく、物理的に取り去られて捨てられるのです。 野菜や果物を洗うときは、洗った表面をそのまま食べます。それと比べると、コピルアクの処理は一段と念入りだと言えます。回収から焙煎までの流れは、工程をまとめた記事でもご覧いただけます。 3. 乾燥で、コーヒー豆のカビや細菌が増えにくい状態にする 洗浄した豆は、天日で乾燥させ、豆の中の水分値を12.5%前後以下まで下げます。この水準まで乾燥させると、細菌やカビは増えにくくなります。穀物や干物が長持ちするのと同じ考え方です。乾燥させた豆は保管や輸送のあいだも安定しているため、洗浄で得られた清潔さが焙煎の前に損なわれることもありません。水分値の基準は、インドネシアの規格を解説した記事で詳しく紹介しています。 コーヒー豆のカビといえば、カビ毒のひとつであるオクラトキシンAを心配される方もいるでしょう。厚生労働省の資料によると、国内で調べたコーヒー豆44試料のうち86.4%は、定量できる量を下回っていました(厚生労働省の資料)。これはコーヒー豆全般の調査結果ですが、しっかり乾燥させ、湿気を避けて保管することの大切さは、コピルアクでも変わりません。 4. 焙煎は、食品の加熱の目安をはるかに超える 厚生労働省は、家庭で食中毒を防ぐ加熱の目安として、食品の中心部を75℃で1分間以上加熱することを挙げています(家庭でできる食中毒予防の6つのポイント)。一方、コーヒーの焙煎では、焙煎機の中が200℃近くまで上がります(焙煎の解説)。豆はその高温に長い時間さらされるため、それまでの工程のあとに残った微生物も、ここで処理されることになります。 さらに、飲む前には沸騰直後のお湯で抽出します。焙煎のあとにも、もうひとつの熱の関門があるわけです。 5.…
コピルアクはハラールなのか。ムスリムの方や、ムスリムのお客様を迎える飲食店・ホテルの方から、よくいただく質問です。結論から言うと、インドネシアとマレーシアの宗教機関は、豆が一定の条件を満たし、きちんと清められていれば許されるという判断を示しています 一方で、これを認めない学者もいます。さらに近年は、檻で飼育されたジャコウネコからつくられるものについて、「良いもの(タイイブ)」と言えるのかという倫理面の問いも重くなっています。この記事では、イスラム法学の論点、各地のファトワ(宗教見解)、そして倫理の問題を順に整理します。 コピルアクとは:議論の前提となる事実 ジャコウネコが実を食べ、豆が殻ごと排出される コピルアクは、ジャコウネコが熟したコーヒーの実を食べ、果肉だけを消化して、硬い殻(パーチメント)に包まれた豆を排出することから生まれるコーヒーです。消化の過程で豆の成分が変わり、苦味がやわらぐと言われてきました。インドネシアの農園で、地元の人々が落ちている豆を拾い集めたのが始まりとされています。 森での回収から、檻での量産へ もともとは、森や農園に落ちている豆を拾い集める、ごく少量の産物でした。ところが価格が上がるにつれて、野生のジャコウネコを捕まえて小さな檻に閉じ込め、コーヒーの実ばかりを与えて量産する生産者が現れました。この変化が、後で触れる倫理面の問題につながっています。檻飼育の実態は、当社のブログで詳しく解説しています。 「ジャコウネコの効果」には科学的な疑問もある ジャコウネコが良い実を選び、消化が味を良くするという説明には、専門家から疑問も出ています。たとえば2021年の論文では、これまでの分析で見られた成分の違いは、ジャコウネコの消化ではなく、糖分の多いリベリカ種の実を野生のジャコウネコが好んで選んでいたことによるのではないか、という仮説が示されています(Lachenmeier & Schwarz、2021年)。また、市場には混ぜ物や偽物も少なくありません。 イスラム法学の論点:ナジスと「清める」という考え方 ハラール、ハラーム、そしてシュブハ イスラム法では、許されているものをハラール、禁じられているものをハラームと呼びます。その中間にある疑わしいものはシュブハと呼ばれ、できるだけ避けるべきものとされています(ハラールの解説)。食べ物は、禁じられていない限り基本的にハラールです。ただしムスリムは、単に許されているだけでなく、「ハラールで、かつ良いもの(ハラーラン・タイイバン)」を口にするよう求められています。 ナジス(不浄なもの)とムタナッジス(不浄に触れたもの) コピルアクの議論で最も重要なのが、この区別です。動物の排泄物は、それ自体が不浄なもの、つまりナジスとされます。一方、もともと清浄なものが不浄に触れて汚れた状態はムタナッジスと呼ばれ、こちらは洗えば清めることができます。 コピルアクの豆を認める学者の多くは、豆はジャコウネコの体内を通っても本質は変わっておらず、外側が汚れただけのムタナッジスであると考えます。逆に、消化によって豆そのものが変わってしまったと考えれば、豆はナジスとなり、洗っても清めることはできません。 清めるための条件:硬く、形を保ち、発芽できること ムタナッジスとして扱うには、豆が硬く、形を保ったまま排出されていることが前提になります。古典的な法学の議論では、植えれば芽を出すことができる状態であることが、豆の本質が変わっていない目安とされてきました。そのうえで、色やにおい、味が残らなくなるまで洗うことで、豆は清められると考えます。 ファトワはどう判断しているか…
ヴィーガンの方から「コピルアクはヴィーガンですか?」という質問をいただくことが増えてきました。正直にお答えすると、答えは豆がどこから来たのか、そしてどのように回収されたのかによって大きく変わります。この記事では、ヴィーガンという言葉が本来何を意味しているのかを確認したうえで、野生のジャコウネコから回収したものと檻で飼育したものとの違い、そして賛成・反対それぞれの考え方を整理します。最終的な判断は、読み終えたあなた自身にお任せします。 ビーガンの定義:ヴィーガンが本当に意味すること ヴィーガン(ビーガンとも表記されます)は、単に「動物性の食品を食べない」という食事のルールだけを指す言葉ではありません。1944年にこの言葉を生んだ英国のヴィーガン協会(The Vegan Society)は、ヴィーガニズムを「食べ物や衣服、その他あらゆる目的において、可能かつ実行可能な限り、動物に対するあらゆる形の搾取と残酷な扱いを排除しようとする哲学であり、生き方」と定義しています(ヴィーガン協会による定義(英語))。日本語での解説は、NPO法人リブの記事が参考になります。 この定義のなかで、コピルアクを考えるうえで特に重要なのは、「搾取」と「可能かつ実行可能な限り」という2つの言葉です。 「動物の搾取」とは何を指すのか 一般に、動物の搾取とは、動物を商品や道具として扱うことを指します。具体的には、動物を所有すること、閉じ込めること、行動を管理すること、そして動物自身が必要としているものを人間が取り上げることなどです。 「可能かつ実行可能な限り」という前提 もうひとつの言葉は、現実的な限界を認めるものです。現代の暮らしのなかで、動物との関わりを完全にゼロにすることは難しい。だからこそ、ヴィーガンの定義には、できる範囲で搾取を避けるという前提が含まれています。コピルアクの生産方法を考えるとき、この2つの言葉が判断の軸になります。 野生のコピルアクと檻飼育のコピルアクは同じものか コピルアクについての議論では、まったく異なる2つの生産方法が、同じものとして語られてしまうことがよくあります。 檻飼育のコピルアク 檻飼育のコピルアクは、野生から捕獲されたジャコウネコを小さな檻に閉じ込め、コーヒーの実を与えてつくられます。英国オックスフォード大学の野生生物保全研究ユニットと、国際的な動物保護団体ワールド・アニマル・プロテクションの研究者たちは、バリ島の16の農園で飼育されていた48頭のジャコウネコを調査し、その飼育環境が不十分であることを学術誌Animal Welfareで報告しています(Carderほか、2016年)。 表示の問題も指摘されています。動物保護団体PETAアジアの調査では、インドネシアの生産者が、檻で飼育したジャコウネコのコーヒーに「100%野生」と表示することに抵抗はないと話していたことが報告されています(PETAの報告(英語))。また、ナショナル ジオグラフィックは、2013年に英国BBCが行った潜入取材で、檻飼育のジャコウネコによるコーヒーが野生のものとしてヨーロッパで販売されていたことが明らかになったと伝えています。 同誌は2016年の記事で、豆が100%野生由来かどうかを確かめるのは難しいというレインフォレスト・アライアンスの見解や、持続可能なコーヒーの認証制度であるUTZがこのコーヒーを認証しない方針であることも紹介しています(ナショナル ジオグラフィックの記事(英語))。檻飼育の実態については、当社のブログで詳しく解説した記事もご覧ください。 野生のコピルアク…
コーヒー豆のグレードとは、生豆を販売する前に、その物理的な品質によって分類する仕組みです。基準になるのは、欠点豆の数、豆の大きさ、水分量といった、測ることのできる要素です。グレードは価格を決め、どの豆がスペシャルティコーヒーの候補になるかを左右し、品質の劣る豆に高いお金を払ってしまうことから買い手を守ります。この記事では、グレーダーが実際に何を測っているのか、インドネシアのSNI規格ではどのように等級が分かれるのか、そして野生のコピルアクがどのように選別されているのかを解説します。 コーヒー豆のグレードは何を測っているのか 要素 内容 なぜ重要か 欠点数 サンプルに含まれる欠点豆や異物の数 世界の多くの等級制度の中心となる指標 スクリーンサイズ ふるいで測る豆の大きさ 大きさがそろうと焙煎ムラが出にくく、丁寧な選別の証にもなる 水分値 生豆に含まれる水分の割合 多すぎるとカビの原因に、少なすぎると風味が損なわれる カップの品質 訓練を受けた専門家が味わって評価 スペシャルティコーヒーと、単に欠点の少ないコーヒーとを分ける 欠点豆の数 欠点豆とは、虫食いや割れ、黒く変色した豆など、風味を損なう原因になる豆のことです。異物も含めて、決められた量のサンプルのなかにどれだけ含まれているかを数えるのが、ほとんどの等級制度の基本です。日本スペシャルティコーヒー協会も、スペシャルティコーヒーの条件として、生豆から焙煎豆に至るまで欠点豆が極めて少ないことを挙げています(スペシャルティコーヒーの定義)。 スクリーンサイズ…
どの生産者にも、看板を背負う商品がひとつあります。Kopiluwak Coffeeにとって、それがキンタマーニのルアックコーヒー、「バリ キンタマーニ ルワック」です。この記事では、この一杯がどこで、どのように生まれ、どんな味わいなのか、そしてなぜ当社のフラッグシップと呼べるのかを、品質評価の基準とあわせてご紹介します。 キンタマーニのルアックコーヒーとは 野生のジャコウネコが選んだキンタマーニのアラビカ キンタマーニのルアックコーヒーは、厳選したキンタマーニ産アラビカ種の実のなかから、自由に暮らす野生のジャコウネコが選んで食べ、その体内で自然な発酵を経た豆からつくられます。ジャコウネコは本能的に、いちばん熟した甘い実だけを口にします 豆は形を保ったまま体内を通り抜け、そのあいだに苦味のもとになる成分が変化することで、苦味が抜け、酸味がやわらぎます。キンタマーニは何世代にもわたって、こうしたルアックの原料となる豆を育ててきた土地でもあります。 なぜフラッグシップと呼べるのか 理由は3つあります。キンタマーニのアラビカはバリでも特に評価の高いコーヒーであること。この高原で野生のジャコウネコから得られる量がごく限られていること。そして、出荷するすべてのロットに、カッピングスコア85点以上という条件を課していることです。 どこで生まれるのか:バトゥール山のふもとの高原 火山の土壌と、涼しい高原の空気 キンタマーニは、バリ島北東部のバトゥール山周辺に広がる高原です。火山がもたらした土壌と涼しい山の空気が、島でも特に名高いアラビカ種を育てています。産地の背景や観光農園の実情については、バリ島で飲む前に知っておきたいことの記事でも詳しく紹介しています。 農場も、請負業者も、檻も使わない このコーヒーの豆は、高原で自然に暮らす野生のジャコウネコから、当社の経験豊富なチームが回収しています。飼育場も請負業者も使わず、檻に入れられた動物はどの段階にも関わりません。農園の地面からロースターに届くまで、すべての工程を当社が直接管理しています。檻での飼育の問題点については、倫理面の解説記事をご覧ください。 バリコーヒーの味:カッピングプロファイル 香り・風味・酸味・ボディ 当社の公式なカッピングプロファイルは、次のとおりです。 全体の印象は、重さより上品さ、素朴さより洗練。バリコーヒーの味を、繊細なかたちで表現した一杯です。 Qグレーダーの評価:85点以上のロットだけを出荷…
どのコピルアクも、始まりは同じです。野生のジャコウネコが、木になっている実のなかからいちばん熟したものを選んで食べることから始まります。けれども、そのあとカップに届く味わいは、ジャコウネコが食べた豆がアラビカ種かロブスタ種かによって大きく変わります。この記事では、アラビカとロブスタの違いを整理したうえで、ジャコウネコの体内での変化がそれぞれの品種に何をもたらすのか、そしてどちらを選べばよいのかを解説します。 アラビカとロブスタの違い 育つ場所と育ち方 アラビカ種は標高の高い土地で育ち、実がゆっくりと熟します。そのため、香りが豊かで複雑な、やさしい甘さのある一杯になります。一方のロブスタ種は、より暖かい低地でも早く育ち、苦味の強い力強い豆になります。東日本コーヒー商工組合の解説によると、ロブスタ種は標高300〜800mほどの低地でも栽培でき、病気に強いことから、アラビカ種の栽培に向かないアジアの国々で盛んに育てられています(ロブスタの解説)。 ロブスタ種のカフェイン量はアラビカ種の約2倍 もうひとつの大きな違いがカフェインです。ロブスタ種のカフェイン量は、アラビカ種のおよそ2倍とされています。豆に含まれるカフェインは、アラビカ種が約1.5%、ロブスタ種が約2.7%という報告もあります(ロブスタ種の概要)。 どちらが本物、どちらが上というわけではない 日本では、ロブスタ種は缶コーヒーやブレンドに使われることの多い豆として知られています。しかし、ロブスタ種が偽物のコーヒーというわけではなく、アラビカ種が自動的に優れているわけでもありません。コピルアクの品種を選ぶことは、どちらが上かではなく、どんな一杯を楽しみたいかを選ぶことなのです。 アラビカ種のコピルアクとロブスタ種のコピルアク:早見表 比べるポイント アラビカ種のコピルアク ロブスタ種のコピルアク 風味の個性 複雑で香り高い。チョコレートやナッツ、やさしい甘さ 大胆で力強い。ダークでアーシーな深み カフェイン 標準的 アラビカ種の約2倍 酸味 もともと穏やかで、発酵によってさらにやわらぐ…
イタチコーヒーは、英語で「ウィーゼルコーヒー(weasel coffee)」と呼ばれる、ベトナムのジャコウネコのコーヒー「カフェ・チョン(cà phê chồn)」の通称です。ベトナムのコピルアクと紹介されることもあります。そして多くの人が驚くのが、実はイタチはまったく関わっていないということです ベトナムのものも、インドネシアで作られるコピルアクも、同じマレージャコウネコから生まれます。つまりこれは、違う動物の比較ではありません。ひとつの自然な製法が2つの国で受け継がれ、まったく異なる結果を生んでいるという話です。 ジャコウネコとイタチの違い ジャコウネコ科とイタチ科は別の動物 コーヒーの実を食べるのは、ジャコウネコ科に属するマレージャコウネコです。一方、イタチはイタチ科の動物で、分類上はまったく別のグループに属しています。 なぜ「イタチ」と呼ばれるようになったのか 混乱の原因は2つあります。ひとつは、初期の翻訳者が英語圏の読者になじみのある言葉として「weasel(イタチ)」を選んだこと。もうひとつは、細長い体つきが似ていることです。その呼び名が英語の商品名として定着し、日本でも「イタチコーヒー」という名前で知られるようになりました。 イタチコーヒーとコピルアクの5つの違い 1. 豆:ベトナムはロブスタ、インドネシアは両方 ベトナムのコーヒーは、1857年にフランスの宣教師によって持ち込まれたとされています。いまやベトナムはブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国で、その生産量の約97%をロブスタ種が占めています(ベトナムのコーヒー生産)。中部高原のバンメトートを中心とする産地が、その生産を支えています。そのため、ベトナムのコピルアクも、ほとんどがロブスタ種から作られます。 インドネシアの火山の地形は、標高1,200mを超える高地でのアラビカ種と、低地でのロブスタ種の両方を育てます。糖分をたっぷり含んだ高地のアラビカ種の実は、ジャコウネコの体内の酵素にとって、格好の原料になります。Kopiluwak Coffeeでも、アチェ ガヨ、キンタマーニ、トラジャのアラビカ種に加え、ロブスタ ルワックをご用意しています。 2. 生産方法:ベトナムは飼育中心、インドネシアは野生回収の伝統…
Q Grader · Quality · Kopi Luwak Coffee
Pippo is an expert in Kopi Luwak with a deep passion for exploring its uniqueness and heritage. With years of dedication to studying this premium coffee, he consistently shares authentic insights and knowledge to help readers better understand one of the world’s…
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